実家に帰ったらiPad2がありました。 〜 アップル製品が初めての両親に使い方を説明していて。説明の流れと感触。

今日は、お店の事とも趣味の写真の事とも違う記事になってます。
先に書いてしまうと、機械が苦手な人にiPad2の使い方を説明していて思った事、気づいた事をまとめてみようって内容だったりします。
時々、詳しい人が苦労している様子をTwitter上で見かけるものでして。結構厳し目の愚痴になってる事も多く。
そんなに厳しく言わなくても……と。
そんな動機で書き始めちゃってます。


■事の経緯。僕の両親がどれくらいのスキルを持っていたのかについて――。
タイトルにも書いている通り、実家帰り着くと、キッチンのテーブルの上にiPad2がありました。これには驚きました。
最初、このiPad2は、昨年6月に結婚したばかりの弟夫婦が購入したものであって、たまたま実家に置き忘れて行ったものなのかなと勘違いしていました。そりゃそうですよね。手軽な機械とは言え、決して安いモノではないのですから。

聞けば、この機械を使うのは僕の両親との事。

主に「これまで、普通の携帯電話でメールするくらい」しかネットを利用した事がなく、アップル製品どころかパソコンに触った事が無い母が使うとの事。
その話を聞いて「大丈夫かな?使い方を覚える前に嫌いになってしまわないかな?」と、ほんの少し不安になりました。
母は、機械が全くダメという訳ではないのですが、コンピューター系の用語が耳に入ると拒否反応を示してしまう所があったのがその理由です。

代わって、父はそれなりにパソコンは使っています。
主にパソコンで使っているのは、仕事に利用しているソフトと何年もプレイしているゲームくらい(ディアブロ2を一番高い難易度で)。
アップル製品には、僕が実家にいる間に見た事はあっても、触ったことが無いので、初期導入の時には弟のサポートが必要だったそうです。

そんなわけで、僕は里帰り期間中、実家の両親にiPad2の使い方を手ほどきする事となりました。

勿論、解説する時間以外は、実家の大掃除の手伝いをしたり、趣味の写真撮影に出かけたり。

写真については、後日、記事にするかもしれません。
――長い前置きはこの辺で切り上げて、どんな風に解説したのか、順を追って書いてみますね。



【何に使いたいのか、そこをゆっくり話しあってみると、見えてくる事もあったりします。】
iPad2って早い話がパソコンを簡単にした様な機械です。
だけど、いくら簡単にしたと言っても、簡単にしたのは、ハナから使い道の幅がとっても広いパソコンです。
幅が広いって、言い換えるとボンヤリしてるって事です。
iPad2を◯◯に使いたい」と使い道を決めずに購入してしまった人からしてみれば「こりゃ一体、何に使う機械なの?」と迷うこと必至です。
箱を開けた瞬間に「お付き合いで買っちゃった。どうしよう」と後悔しても不思議ではありません。

家電というものが世の中に出始めた頃は、そりゃあラクなものでした。
箱を開ける前から「洗濯機」やら「テレビ」やら「ラジオ」やら。箱に書いてありますもの。
これらの家電製品に共通しているのは、機械一つにつき、使い道が一つってトコロ。箱から出して、使い道に迷うなんて事はないですよね。
だけど「iPad2」は違います。色んなジャンルのアプリを組み込めば、それだけ使い道も広がります。
見た目はカッコイイかもですが、使い道については、それなりにメーカー側で準備がされていても、やっぱりボンヤリしたものだと思います。

父はパソコンをそれなりに理解しているので、まあそんなモノだと納得しているのですが――。
母は、そうもいきません。

「誰々さんが使ってるトコロみて、いいな〜って思って買ったんだけど。何に使う機械なのか、使い道がよくわからない」

――という訳で、ネットを見て回るのに使えるという事、メールに使えるという事、アプリを組み込めば使い道が増えるという事を説明しながら、途中で飛び出してくる「じゃあ、こう言うのに使える?」という質問に答えつつ、アプリ探しを始めました。

とにかく、まずは『使い道の一つ目』を決めましょう。

色々な事に使えるのだし、最初に使い道を決めて用途を狭めるなんて勿体無いって思うかもしれませんが大丈夫です。
こういう機械は、使っている内に「コレが出来るんだったら、こう言う事も出来ない?」と、思いつくものです。
その思いつきから用途を広げた方が、自主的である事も手伝って、覚えるのが早かったりします。

その人が使いそうな用途を、慌てながら全て決める必要なんて全くありません。

同じく、基本操作を最初から全て覚える必要も全くありません。
理由は、どのアプリも、ある「お作法」に従って作られているからに他なりません。
一つのアプリの使い続けている内に、それ以外のアプリの使い方も、自然と、なんとなく判るように作られていますよね。
ですので、使い続けている内に、何かを発見しながら楽しんでもらう位の気持ちの方が良いでしょう。

先ずは、ノンビリと話をしながら「あ、そういうの欲しかった!」という使い道を一つでも良いので決めちゃうのが得策です。

ちなみに、話しをしながら、母が最初に「あ!これ覚えたい!」と飛びついたアプリは「クックパッド」です。

クックパッド
http://itunes.apple.com/jp/app/id340368403?mt=8

これは元々iPhone用に作成されたレシピ検索アプリです。旬の献立、人気の献立だけでなく、各種材料を検索ワードにして色々な料理のレシピを簡単に検索出来る様になっています。かなりオススメです。(幾つも作ったのですが、美味しかったです)
さすが、自分から好奇心を持ったアプリだけはあります。
あっという間に使い方を覚えていました。

これは大きな一歩です。
前述の通り、アプリは「お作法に従って作られたもの」です。
一個アプリを覚えれば、後はそこを軸にして、広げていけば良いだけ。



【用語は使わない。それと、大体どのアプリでも共通している左上の「戻る」ボタン】
前にも書いていますが、母はコンピューター系の機械は大の苦手です。
「メール」と「ネット」くらいは判っているみたいですが、それ以外はちょっと怪しいです。
「アイコン」とか「タップ」とか少しでも「聞きなれない」言葉が混ざると混乱してしまいます。
理解できない外国語を話す人しか住んでいない街に、自分一人が突然放りこまれてしまった状態と同じです。

決して理解する気が無いのではなく、強い不安で、どうすれば良いのか分からなくなってしまっているだけですので、そこはお互いにやりとりできる言葉を探しながら、話を進めていきましょう。

感覚としては「身振り手振りで相手に伝わる程度」というもの。けっして「原理がこうだから」と理解してもらう必要はありません。
無理にその土地の言葉の文法を覚えなくても、伝えようと思えば、言葉が違っていてもナントカなっちゃうものです。

この記事を読んでいる方も、何度も耳にされた事があるかもしれないコツについても書いておきます。
用語を使うよりも「伝わりやすそうな言葉」を選ぶというものです。

例えば、カタチや色を一緒に説明する様にするとか。これだけでもかなり手応えが違ってきます。
「アイコン」だと伝わりにくい話でも「四角いボタン」で通じる様になります。
クックパッド」のアイコンも「黄色くてコック帽が描かれている四角いボタン」で通じてしまいます。

あとは「前の画面に戻りたいなら、大体、画面の左上に戻る為のボタンがある」という点と「迷ったら本体真ん中の丸いボタンで最初の画面に戻る」という事を説明しておけば大丈夫です。



■どこまで勉強すればいいのか?
使い方を説明している時も、自分で勉強している時も「一体、どの辺まで学べばいいのか?」という疑問が良く浮かんでくるものです。
これについては次の二つは大切ですので、説明だけでもした方が良いでしょう。
まず一つ目。終了したつもりだけど、実はまだ終了してないアプリの終わり方。(バックグラウンドで動作してるアレです)
もう一つは、こまめに(週に一度とか)パソコンと同期した方が良いという点。それと同期の方法。
この部分、パソコンが苦手だった人には、一度で覚えられる箇所では無い様ですので、そういう操作が必要になる場面があるという事だけを理解してもらう程度で良いでしょう。

他は、使いながら、少しずつ覚えていくものだという事を前提に、質問を受けた時などに「こういう時は、こんな操作方法で、もっと簡単になるよ」と小出しで説明した方が、納得しながら覚えてもらえます。



【面白くて、エンディングまで遊ばせてしまう面白いゲームは褒め上手】
否定文を使わず、肯定文を中心に説明しましょう。それだけで褒め上手な解説になります。

ちょっぴり脇道にそれますが、サポート系のお仕事の研修を受けた経験からのお話です。
面白いテレビゲームでの喩え話です。
面白いと夢中になりますよね。
一つの障害を乗り越えると、ご褒美に次のゲーム展開に進む。このご褒美が嬉しく、そして楽しいからエンディングまでプレイする。
敵と戦うゲームだと「ナントカカントカの悪魔」とか言ってプレイヤーを恐れますよね。あれも褒め言葉なのです。
言われていると自分もその気になって、もっと上手にプレイしようと一所懸命になっちゃいますよね。

だから、機械の使い方を説明する時も、楽しんでもらう事を前提に褒めましょうって話なのですが……。
これ、ツンデレ気味の人には照れくさいって思われちゃうみたいです。
だけど大丈夫です。「そうそう」というだけの言葉で済んでしまうのです。
大切な事は「否定文を使わずに説明する」という事です。
否定文を使わない。これはとても重要です。

メール受信について説明する時を例にして否定文と使った解説の印象と使わない印象を見比べてみましょう。

クレーム対応の時もそうなのですが「こうしないとメールを受信できない」という説明だと、教わってる方は「出来ない・ダメ」という連想から、気持ち面での焦りが大きくなってしまいます。ひどい時には混乱してしまう場合もあります。

仕切りなおして「こうすればメールを受信できるんですよ」と肯定文で説明すると、それだけでも聞いている方は褒められている気分になります。
これは、自身がない、不安を感じている相手程強くそうなります。「出来る・大丈夫」という連想から安心するのでしょうね。



■大きな助けになりそうな音声入力アプリ。注意すべき所。
今回、クックパッドから始まり、そこから派生して、色々な事を説明しました。
ここでネックになったのが文字入力です。
Googleの音声検索は「そのアプリの内部で完結できる」アプリですので、問題はないのですが、音声での長文入力アプリがありますよね。


Dictation
http://itunes.apple.com/jp/app/dragon-dictation/id341446764?mt=8

確かに便利でした。
だけど、このアプリ、単体でメールやツイッターなど、色々な使用に応用出来る様には工夫されているのですが……。
母には、ちょっと難しかった様です。
音声入力後の編集、主にコピー&ペーストを中心に、苦労していた様で、結局はかな文字五十音でのキー入力に落ち着いていました。
こういう時は、音声とキー入力と両方試してもらいながら、好きな方を選んでもらうのがラクチンです。



■今回の解説を終えて――。
クックパッドから始まったiPad2の解説ですが「他にもこんな事が出来るよ」と解説している内に、Youtubeで大好きなEXILEの動画を検索して楽しむ様になっていましたし、古くからの友人と写真付き、イラスト付きのメールのやりとりをする様になっていました。
勿論、ミュージックを使って、好きな音楽を再生出来る様にもなっていました。

あと、ツイッターについては、割り切っちゃいました。
「気になる芸能人とか情報センターとかをフォローしてれば、勝手にそこから最新情報が流れてくるよ」と説明し、発信する事については触れませんでした。
本人も何か発信したいという気持ちは無い様で、ただ、最新の情報をや、注目している芸能人本人の発信をみて楽しむ事が出来れば満足の様でした。

それと、ツイッターに登録したので、Googleリーダーに関連するものや、Flipboardをインストールしました。

Flipboard
http://itunes.apple.com/jp/app/flipboard/id358801284?mt=8

使い分けを覚えるのは大変でしょうから、FlipboardでTwitterGoogleリーダーを一括して閲覧出来る様にしました。
これだけで「雑誌みたいになったねえ」と暇つぶしにiPadを使う様になってました。

更に、デマに流されないように、きちんとしたニュースはコッチで見てねと「NewsFlash」も入れました。

NewsFlash
http://itunes.apple.com/jp/app//id472447733?mt=8

それと、親戚にもiPhoneiPadを使っている人がいるので、標準で組み込まれている「FaceTime」で、無料のテレビ電話が出来る様に設定しました。
これもかなり気に入った様子。

この辺まで説明すると、欲も出てきた様でして、自発的に「こんなのあるかな」と参考書を見たりする様になってきました。
ちょっと笑ってしまったのは「週刊誌を見るような、もっとうわさ話みたいな記事とか読めるトコロないの?」と相談された事です。
試しに、Googleリーダーに代表的な、某巨大掲示板まとめサイトを登録して、Flipboardから読む事が出来る様にしてみました。
とても……満足していた様です。
――それと同時に、次の里帰りがチョッピリ怖かったりもします。
ワロス」なんて言い出したらどうしましょう。

まあ、とりあえず。
僕が東京に戻る頃には、本人も驚く程に、幾つかのアプリを楽しんで使う様になっていました。
特にクックパッドと、FaceTimeと、Flipboardは気に入ったご様子。

白菜が沢山あるから、何をつくろうかとクックパッドを開いたり。
テレビを見てる最中、EXILEが登場したら、脊髄反射で姪っ子にFaceTimeをつなぎ「見てる!?今出てるよ!!」と連絡を入れたり。(母と姪っ子は、ともにEXILEのファン)
早めに布団の中に入って、Flipboardで面白そうな記事を探したり。

日常生活にもしっかりと溶け込んだ様子。
満足してもらえた様で、僕も安心しました。

今回の記事、これから親御さんに使い方を教える人のヒントになれば良いのですが。
かなり使えるのは、否定文での解説をしないってトコロです。捗りますよ〜。



それでは今回はこの辺で。
また次回〜。

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オリジナルTシャツのお店Tee-Mine(ティーマイン)の担当(P)でした∩( 'ヮ' )

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